倉敷デイリーライフ Final
とても好きになった倉敷。仕事も職場もプライベートも。ところが6月半ば、7月から千葉への転勤を命じられました。まだ続けたかったこと、これからやりたかったことがあり、あと2年くらいは居たいと思っていました。
倉敷で始めたボクシング。その日、いつものようにジムに入る時、Yちゃん(小3練習生)が、リングの上から笑顔で手を振ってくれました。僕の「こんにちは!」に、若者たちが大きな声で応えてくれました。国内トップレベルの、極上のスパーリングを間近に観ました。中学生が、成長したパフォーマンスを見せてくれました。
チャンピオンとお話しできるようになりました。スパーリングする選手の、グローブとヘッドギアの着脱を、自然なタイミングで手伝えるようになりました。高齢同士でスパーリングをし、会長を交えて話に花が咲きました・・・。
うーむ、去り難い。どうにも去り難い。
仕事は面白く、職場は楽しい。しかしコロナ対策を推し進める立場もあり、せっかく知り合った仲間達と自由に交流できませんでした。この行動規制がなければ、ますます楽しかったことでしょう。少なくとも、流行が終息して暫くは倉敷に居たい。そんな思いです。
でも・・・
放送作家、小説家で、東京都知事をも務めた故・青島幸男さんは、良くホームパーティーを開いたそうです。そこでは、話が徐々に盛り上がり、やがて楽しさがピークに達する頃「はい、今日はこれでお開き」とするのが常だったとのこと。その理由は、「こうすれば次にまた来てくれるから」
なるほど・・・。
全てやり切り、現状に飽きてしまってから離れるよりも、良い印象だけを持って別れる、これがいちばん贅沢なさよならなのかもしれません。この先出張で、倉敷やその近隣に来ることはあります。その際には、自由に交流できなかった仲間に声を掛け、お酒や食事に誘おう。実際僕はそんな気持ちになっています。
そうこうして仕事の申し送りと引越しの準備に忙しくするうち、次のステージが楽しみに思えて来ました。仕事も職場も面白いだろう。千葉にだって、アマチュアが演奏を披露できるライブハウスもあればボクシングジムもある。バレーボールチームにも復帰する。
6月27日(月)、倉敷守安ボクシングジムでの最後の練習。親しくしてくれた面々に挨拶し、ジムを後にする際、みんなが「お元気で!」と大きな声で言ってくれました。チャンピオンも。
アパートを引き払い、お気に入りのビジネスホテルに入り、水島繁華街の馴染みのバーに顔を出しました。そして倉敷で過ごす最後の日、嬉しいニュースが入って来ました。
彼のスタイルは、僕好みの華麗なアウトボックス。お話しさせて貰い、ジョークも交わし、そして何より努力を間近に見て来たので、本当に嬉しい。
積乱雲沸き立つ7月1日(金)朝、いつも笑顔で会話してくれたセブンイレブンの店員さんにも別れを告げ、こちらで買った三菱eKワゴンで、東へ向けて出発しました。
倉敷での15か月。適度な短さだったことと、友人へのコメントやブログ記事に記録として残したことで、この先記憶が曖昧になったり、他のできごとと混同したりすることなく、切り取って大切にしまっておけそうです。
新しい生活への期待と、倉敷への想いを残し、このシリーズを終わります。
Appreciate!