倉敷デイリーライフ4 Jan. – Mar. 2022
子供の頃から好きだったボクシング。中学校の部活動でバレーボールに励む傍ら、世界のボクシングを、TV、新聞、専門誌を通して、夢中でフォローしていました。カルロス・サラテ、アルフォンソ・サモラ、ウィルフレド・ゴメス、サルバドル・サンチェス、アレクシス・アルゲリョ、ロベルト・デュランらが、ヘビー級では、モハメド・アリ、ジョージ・フォアマン、ジョー・フレージャー、ケン・ノートンらが活躍していた時代です。キンシャサ午前4時(アリの世界ヘビー級王座奪回)には、暫く興奮が冷めませんでした(当ブログ内記事「MLB観戦記3」本文P27-30参照)。
転勤で関東のバレーボールチームから離れたのを機に、1月初旬、ジムの門を叩きました。「好きなことはやらなくちゃ」なんて考えて。
会長は、第14代日本Jウエルター級チャンピオン。僕が真剣にボクシングを見始めた頃プロデビューた人です。同ジムは、現役の日本フライ級チャンピオンを筆頭に、スーパーフライ級8回戦を含む約10人のプロ選手を擁し、練習生は、小学校3年生の女の子から70歳の男性まで幅広く、とても活気があります。
2月、チャンピオン・ユーリ阿久井政吾選手が、地元サントピア岡山総社で3度目の防衛戦に臨みました。僕はジムの一員として、会場設営を手伝いました。東京水道橋の後楽園ホールには何度も観戦に行きましたが、リングを組み立てたのは、初めての貴重な体験でした。
接近戦を得意とする挑戦者・同級1位の粉川拓也選手(角海老宝石)は、世界戦を2度経験している百戦錬磨のベテランです。これに対しボクサーファイタータイプのチャンピオンは「頭を着けた接近戦」という相手の土俵で敢えて戦い、それでもフルマークの判定勝ちでタイトル防衛に成功しました。
阿久井選手は昨年7月の2度目の防衛戦で、スピードスター・桑原拓選手(大橋)を10R見事なKOで退けています。トップクラスのアウトボクサーにも、世界レベルのインファイターにも対応できることを証明し、今や国内敵なし。いよいよ世界に照準を合せました。
同じリングのセミファイナル6回戦を戦った神崎靖浩選手も、シュガー・レイ・レナード張りの華麗なアウトボクシングで、大差の判定勝ちを収めました。
6月に初の8回戦で、日本スーパーフライ級ユースタイトルに挑みます。
他にも、新人王戦を戦う選手や、プロになったばかりの選手、プロを目指す選手などが、毎日真剣に練習に取り組んでいます。そんな姿を間近に見ていると「呑んだくれてる場合じゃないよなあ」と思います。
その僕はと言うと、スタンスとバランス、体重移動、フットワーク、そして腰を回して打つことを意識しながら、日々基礎練習に励んでいます。
4月上旬、TV中継のなかった世界フライ級と世界ミドル級の両タイトルマッチのネット配信を、ジムのスタッフとユーリ選手と、一緒に観戦しました。
こんな可愛い友達ができました。中学2年生と小学3年生の兄妹。彼の、前へ出る気迫と止まらぬ連打には、目を見張るものがあります。また彼女のフットワークは軽快で、コンビネーションブローも早い。トレーナーによると、二人とも有望株だそうです。
世紀の一戦 ⇓
新しい世界に飛び込むのは勇気の要ることですが、興味さえあればそこは、楽しく刺激的な場所です。そんな環境に身を置いて、ファン目線で長年蓄積して来た知識を背景に、プロ選手やトレーナー、会長ともお話しすることができ、幸せです。