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英語 重箱の隅2;カタカナ表記再考

2024/09/18
 
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メジャーリーグベースボールから透けて見えてくるアメリカの文化や習慣に関する記事、その他、旅、英語、音楽関連の記事を、ちょっと変わった視点で書いて行きます。

日本語は、ローマ字表記法に従いラテン文字に転写されます。逆に、英語をはじめとする外国語・外来語をカタカナ表記する場合は、これと言ったルールはないと思われますが、スペリングをローマ字読みした表記になっていることが殆どで、そのため、聞こえてくる発音に最も近い日本語発音になっていないものもある、つまり、ローマ字表記法に支配され過ぎているように感じます。ここでは、メジャーリーガーの名前から、それらの例を挙げてみます。

ミルウォーキー・ブルワーズの主力、Ryan Braun外野手。auなのでNHKは、ブラウンと表記し、アナウンサーも解説者もブラウンと発音しています。しかしauやawは、アウでなくオーと読むのが英語の基本(*1)であり、実際現地発音は、ブローンに近い。従ってここでは、ブローンという表記と発音に変えるべきだと思うのです。                                                   *1)automatic, autumn, cause, caution, fault, Paulなど全てアウではなくオー。

英語発音すべきだと言っているのではありません。日本語文脈の中で、所々英語発音では不自然です。現地発音に、より近い日本語発音を選んだ方が良いでしょうという考え方です。例示を続けます。

2016年、ヤギの呪いが解けて108年ぶりにワールドチャンピオンになったシカゴ・カブスの名将、Joe Maddon監督。ddなのでNHKは、マッドンと表記し、アナウンサーも解説者も、ちょっと不自然な発音をしていました。しかし現地発音は、明らかにマドンに近い(最後は鼻に抜くので、oは読まない。しかしそれを日本語表記するのは困難)。因みに朝日新聞は、マドンと表記しています。またNHKの現地レポーターを務めた、水野ディレクターも、マドンと発音していました。

ピッツバーグ・パイレーツで現役最高の外野手とも言われ、今(2019)シーズン、フィラデルフィア・フィリーズにFA移籍したAndrew McCutchen選手。cCとtchがあるので、彼がメジャーデビューした頃、数々の報道機関は、マッカッチェンと表記し、不自然な発音をしていました。さすがにスター選手になってからは、最初のッが取れて、マカッチェンとなりました。しかし現地発音は、明確な違いではありませんが、マカーチェンと聞こえます。従って私は、MLB観戦記3(https://firestorage.jp/download/e0ccb120f434b2ef03cc4ca98977d44b405ea71d)の中で、そのように表記しました。少なくともマッカッチェンよりは自然な、また現地発音に近い日本語発音であると思います。

2013-15年、スモールマーケットのピッツバーグ・パイレーツを、ビッグデータベースボールで成功に導いた、Neal Huntingtonジェネラルマネージャー。日本では、ハンティントンと表記しています。ゆーっくり発音すれば、それに近く聞こえますが、普通の速さの発音ではむしろ、ハニントンと聞こえます。従って私は、このブログの、一つ前の記事の中で、そのように表記しました。

ピッツバーグ・パイレーツでクローザーに昇格し、オールスターにも選ばれたJason Grilli投手。NHKは、ローマ字読みしたグリリと表記し、グにアクセントを置いて発音していました。しかし現地発音はriにアクセントがあり、むしろグリーリーに近い。従って私は、MLB観戦記3(https://firestorage.jp/download/e0ccb120f434b2ef03cc4ca98977d44b405ea71d)の中で、そのように表記しました。尚、ウィキペディアは、グリーリと表記しています。

私がここで主張するように、ローマ字表記を離れ、実際に近い日本語発音・表記となっている例もないわけではありません。ロサンジェルス・エンジェルスの主砲、Mike Trout外野手。ouだからと言ってトロウトではなく、英語の基本(*2)どおり、現地発音により近い、トラウトと表記し発音しています。                                                   *2)count, mouth, cloud, sound, town, cowなど多くはアウ。あるいはdouble, young, rough, touch, countryのようにア。

逆に、ローマ字読みしていれば現地発音に近かったのに、常識的な英語読みにした結果、より離れてしまった例もあります。トロント・ブルージェイズなどで活躍した、Jose Bautista外野手。NHKはauの英語読みの基本(*1)に倣いボーティスタと表記し発音していました。しかしMLB現地発音は例外的にバティスタ(スペイン語発音はバウティスタ)に近い。惜しい例です。                                  *1)automatic, autumn, cause, caution, fault, Paulなど全てアウではなくオー。

シンシナティー・レッズのベテラン中心選手、Jeoy Votto内野手。ttなので、数々の報道機関はヴォットーと表記・発音しています。しかし現地発音はヴォトーに近い。従って私は、MLB観戦記3(https://firestorage.jp/download/6ab262e22538dc19a863377ea2866423ad5773ef)の中で、そのように表記しました。単語の中あるいは末尾の[t+母音]は、日本語のラ行音に聞こえる場合が多いので、ヴォローと表記したいところですが、それでは、原語がrやlであるとの誤解が生じるので、ヴォトーに留めました。                                                   最近NHKが、シカゴ・カブスでブレークしたDavid Bote内野手のファミリーネームを、ボーディーと表記・発音し始めましたが、私はそうすることに反対です。オリジナルがtでなくdであるとの誤解が生じることに加え、日本語文脈中の不自然な英語発音になるからです。

メジャーリーガーではありませんが、カレッジフットボール・USCトロージャンスのJake Orson選手。日本の報道では全てオルソンでしたが、personのようにoは読まないので、現地発音はむしろオルスンに近い。従って私は、このブログ中の、カレッジフットボールレポート1で、オルスンと表記しました。元ビートルズの故George Harrisonさん。 当初は全てハリソンという表記でしたが、徐々に変わって来て、今ではハリスンが大多数となっています。

海外からの情報が、量も速さも乏しかった40-50年前までなら、ローマ字表記法に頼らざるを得ない場合が多かったと思いますが、今や膨大な量の情報の中から、発音を含め必要なことを瞬時に調べることが可能です。上記Bautistaの例のように、大切なのはまず聞くことです。よりオリジナルに近くなるよう、カタカナ表記を見直す時期が来ているのではないかと思います。

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