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MLB通信2 ; アメリカ人の勤勉さ

 
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メジャーリーグベースボールから透けて見えてくるアメリカの文化や習慣に関する記事、その他、旅、英語、音楽関連の記事を、ちょっと変わった視点で書いて行きます。

MLBを長年観ていると、アメリカ人の勤勉さを感じることがあります。雨で流れた試合を、数少ないオフの日に組み込む、あるいはダブルヘッダーにすることですぐに消化し、レギュラーシーズンを9月末できっちり終え、10月頭からすぐにポストシーズンが始まるところなどはその例です。また、MLB公式ウェブサイトの記事を読んでいて、アメリカ人の勤勉さを垣間見たことが何度もありました。今日はその一つを紹介します。少し古い話なのですが・・・。

2010年シーズン、5月にフロリダ・マーリンズ戦でパーフェクトゲームを達成したフィラデルフィア・フィリーズのロイ・ハラデイ投手は、更に10月のポストシーズンゲームで、シンシナティー・レッズを相手にノーヒッターを成し遂げました。その翌朝の記事の一つは、以下のような序文で始まっていました。

”ハラデイ投手の元に、多くのTV局からその夜の番組への出演依頼が殺到したが、彼はそのうち二つだけを受け、あとは断った。翌朝の番組への出演依頼も殺到したが、彼はその全てを断った。なぜなら彼には、やるべきことがあったからだ。”

記事の本編は、概略以下のような内容でした。

”ローテーション投手であるハラデイは、自身が投げない日にも、他の誰よりも早くボールパーク入りし、次回対戦する相手の直近のビデオの精査と、筋力トレーニングを日課にしている。5月に完全試合を達成した翌日、クラブハウスのホールウェイでマニエル監督とすれ違い、「おめでとう」と声を掛けられた時も、一瞬微笑んだだけで、彼はトレーニングルームに消えて行った。”

「ハラデイ投手は勤勉だ」と言いたいのではありません。アメリカ人の多くは、こういう論調の記事が好きなのだろうな、と思うのです。つまり、勤勉を良しとしている人が多いのだ、と。                              父親が息子に「ハラデイ投手は、あのような偉業を達成したにもかかわらず、奢ることなく研究と筋トレに励んでいる。お前も見習いなさい。」などと諭している姿が目に浮かぶようです。                              日本人のそれとは質を異にしますが、思うにアメリカ人も、その他どこの国の人々も、概して勤勉なのでしょう。

因みに私がアメリカ人の勤勉さを語る上で必ず引き合いに出していたロイ・ハラデイ氏は、昨年11月、自家用飛行機の事故で40年の短い生涯を閉じてしまいました。その輝かしい実績と勤勉さで、遠くない将来、ホールオブフェイマーに選出されることが確実視されていた同氏。一ファンとして、とても残念です。

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