岡山探訪1 Apr. – Jun. 2021
4月、関東から岡山県倉敷市に転勤となり、新しい生活が始まりました。このシリーズでは、倉敷からちょっと足を延ばした「晴れの国おかやま」をレポートします。
また、別シリーズ「倉敷デイリーライフ」では、倉敷における日常を記して行きます。
1.さんじゅーろー
中学校の同級生たちと毎月行なって来た山歩きを、こちらでも一人で続けることにし、手始めに高梁(たかはし)市の備中松山城を訪ねました。
国内の現存天守12城中唯一の山城で、臥牛山(がぎゅうさん、標高480m)の430m地点に聳えています。
倉敷市真備町で50人を超える死者を出し、広範囲にわたり人々の生活に大打撃を与えた2018年7月の西日本集中豪雨。「晴れの国」を襲ったまさかの災害は、高梁市の観光にも影響を与えていました。
城見学にやって来る観光客の激減。
しかしその後どこからか城に住み着いた猫の噂が広まり、人懐こく且つ堂々とした彼に一目会おうと、来城者数はV字回復を見せました。
この救世主は、谷三十郎(*)に因み、さんじゅーろーと名付けられ、同年12月、城主に就任しました。その後も来城者数を高く維持しつつ、現在に至っています。
*)備中松山藩を追われたが、大阪へ出て後に新選組7番隊の組長となった。
僕が城を訪ねた今年5月初旬のその日は、今にも泣きだしそうな空でした。そのためか、残念ながらさんじゅーろーさんは、毎日定例の城内見回りに出ていませんでした。
が….
天守内を見学した後、受付ブースの奥で寛ぐ城主に会うことができました。
もう一度、今度は関東で一緒に山を歩いた中学校の同級生たちと行きたいなあ。
アイキャッチ画像は、ウェブサイト「さんじゅーろーに会いに行こう」から転載。
2.
国道2号線から岡山ブルーラインを経由し、やって来ました瀬戸内市牛窓(うしまど)町の古民家カフェ。
古い家具なども使って、洒落た内装が施してあります。
僕の着いた席はなんとミシン。それで目の前には糸を巻いたボビン(って言ったよね昔)。
和室、テラス席、
ガーデンベンチもある。
ちょっとだけ瀬戸内海が見えました。
瀬戸内市には他にも数件、古民家を改築して作られたカフェがあります。今後のんびり、1軒ずつ訪ねてみようと思います。
3.
古民家カフェの帰り、なぜか魅かれて立ち寄った瀬戸内市立美術館では、高島野十郎(1890-1975)展が開催さていました。展示室に入り、一瞬で心を掴まれました。
独学で身に着けたという細密画は、理系(農学部を首席で卒業)ならではの成せる業なのではないか、と僕は勝手に思いました。もちろんそんな画評はありません。
この作品「野の径」は、長辺25cmくらいの小さなキャンバスですが、ススキの一本一本が浮き上がって見え、手を伸ばせば掴めそうでした。
モディリアニに加え、もう一人好きな画家が増えた、嬉しいひと時でした。
写真はいずれも、記念誌を撮影したものです。